水道は、社会に必要不可欠な施設として重要な役割を果たしています。
地震などで断水した場合には、市民生活や都市機能に大きな影響を及ぼすことになります。
このため水道局では、施設の耐震化を進めるとともに、飲料水の確保に必要な施設整備、また、地震発生後の施設の復旧や応急給水活動を迅速に対応するため、さまざまな対策に取り組んでいます。
震災時の応急給水(応急給水拠点と応急給水施設)
平成10年度から13年度にかけて取り組んだ「震災時応急給水拠点第1次整備」では、12カ所の拠点および6カ所の施設までの管路を耐震管に整備しています。応急給水拠点は、震災時から復旧までの間、周辺地域の皆さんに飲料水を供給するとともに、その他の避難所などへ給水車で飲料水を運ぶ拠点にもなります。また、救急指定病院などの応急給水施設では、飲料水と医療用水を供給します。
令和元年度から取り組んでいる「第2次整備」では、40カ所の応急給水拠点と7カ所の応急給水施設までの管路を耐震管に布設替えする計画としています。
第1次整備(平成10年度から13年度に整備済み) |
応
急
給
水
拠
点
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避難所等(12カ所) |
応
急
給
水
施
設
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救急指定病院(4カ所) |
災害対策本部(2カ所) |
遷喬小学校 |
高草中学校 |
鳥取赤十字病院 |
鳥取県庁 |
賀露小学校 |
桜ヶ丘中学校 |
鳥取県立中央病院 |
鳥取市役所 |
明徳小学校 |
鳥取西高等学校 |
鳥取市立病院 |
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末恒小学校 |
鳥取産業体育館 |
鳥取生協病院 |
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東中学校 |
鳥取市民体育館 |
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西中学校 |
千代水スポーツ広場 |
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第2次整備(令和元年度から5年度に整備済み) (32カ所) |
応
急
給
水
拠
点
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避難所等(27カ所) |
応
急
給
水
施
設
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透析医療機関(2カ所) |
修立地区公民館 |
湖南学園
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南中学校 |
さとに田園クリニック |
城北小学校 |
大郷会館 |
浜坂体育館 |
尾﨑病院 |
中ノ郷小学校 |
美保南小学校
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浜坂八丁目公園 |
防災拠点(3カ所) |
浜坂小学校 |
賀露地区公民館 |
河原中学校 |
鳥取市水道局 |
若葉台小学校
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賀露ふれあい広場
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国英地区公民館
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鳥取市役所駅南庁舎 |
世紀小学校
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千代水体育館
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青谷中学校 |
青谷町総合支所 |
布勢総合運動公園第2駐車場 |
鳥取県民体育館
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青谷小学校 |
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鳥取大学
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鳥取空港
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湖山西小学校 |
美保南体育館
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福祉人材研修センター |
(旧)江山中学校
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第2次整備(令和6年度以降に整備予定)(15カ所) |
応
急
給
水
拠
点
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避難所等(13カ所) |
応
急
給
水
施
設
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防災拠点(2カ所) |
津ノ井小学校
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青島駐車場 |
湖東中学校 |
国府町総合支所 |
米里小学校
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東郷体育館 |
上味野送水管分岐場 |
河原町総合支所 |
大正小学校 |
鳥取県立盲学校
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面影小学校
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湖山池公園 |
宮ノ下小学校
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吉岡調整池
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大桷調整池
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応急給水栓
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応急給水拠点(鳥取西高等学校) |
応急給水栓(内部)
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地震に強い水道管への取替え
市内の道路の下に網の目のように張り巡らされた水道管の中には、布設時期が古く耐震性に劣る鋳鉄管、塩化ビニル管および鋼管が残っています。これらの水道管に地震による強い力が加わると、管が折れたり、接合部分の継手が抜けたりするなどの被害を受け、飲料水などの供給が困難になるおそれがあります。
そのため、水道局では、水道施設の地震対策として、地震に強い水道管への布設替えを継続的に行っています。また、浄水場や配水池などの施設の耐震化も行っています。
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耐震管への布設替工事 |
緊急遮断弁の設置
緊急遮断弁は、配水池に設置されており、水道管の破損による異常な水流(流量)を感知すると作動し、配水池に貯えられている水道水が流出してしまうのを防ぎます。
配水池に残った水道水は、復旧までの間、応急給水拠点や応急給水施設に供給します。
緊急遮断弁 |
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江山浄水場浄水池 |
米里配水池 |
城山配水池 |
組立式給水タンクを導入
上水道事業に統合した簡易水道地域をはじめ、応急給水拠点の未整備地域における災害時の応急給水に迅速に対応するため、令和5年1月、組立式の給水タンクを30基導入しました。
災害が起こった際は、水道施設の被災状況を勘案して水道局が開設する給水所(小学校、地区公民館など)に給水タンクを設置し、給水車で運搬給水を行います。給水車は、タンクに飲料水を充填したのち、次の給水場所へ向かうことができるので、効率的な給水活動が可能となります。
組立式給水タンクとは
今回導入した組立式給水タンクは、1基あたりの容量が1,000リットルで、1日に必要な飲料水を1人あたり3リットルとして計算すると約330人分の飲料水を蓄えることができます。
運搬給水のしくみ
応急給水器具等の備え
水道局では、非常時の応急給水に備え、下記の応急給水器具等を保有しています。
- 給水車 3m3:2台、2m3:2台
- 飲料水供給栓:80セット
- 組立式給水タンク 1000L:30基
- 非常用飲料水袋 6リットル/袋:1万9,000枚
(令和5年3月31日現在)
災害用備蓄水についてはこちらをご覧ください。
その他の取り組み
マニュアルの策定
組織体制の整備として、災害復旧や応急給水活動を迅速かつ円滑に行うため「災害対応マニュアル」を策定しています。
相互応援協定
隣接する自治体や関係機関との相互応援協定を締結し、災害発生後の迅速かつ円滑な応急対策活動を実施できる体制をとっています。
災害時ボランティア協力者制度
「鳥取市水道局退職者災害時ボランティア協力者」制度を設けており、災害時には、ボランティア協力者から水道施設の被害状況の収集や応急給水活動の支援を受けることができます。
災害派遣・訓練等への参加